5月10日の日刊工業新聞の記事に、テキサスインスツルメンツのプレスリリースとして、スマートグリッドの次世代ネットワーク技術標準化に向けたものがありました。その記事内では、「スマートグリッドの展開と成功は、低周波数帯のPLC（高速電力線通信）技術の国際標準化に、大きく左右されます」としています。

国内では短波帯のPLC屋外利用できるようにしてスマートグリッドをと考えている人々がいますが、それを推し進めれば、再びガラパゴスになることが確実です。

米国無線中継連盟（ARRL）の4月8日付けニュースによれば、「米国内のBPLサービスのうち最も成功した例」とされていたバージニア州マナサス市が運営するBPLサービスが6月いっぱいで終了するとのこと。その大きな理由は赤字。2010会計年度の赤字額が約16万6000ドル（円換算で1557万円）にも達するということで、市の財政を圧迫するために廃止を決定した模様。

皮肉なことに、マナサス市が考えているAdvanced Metering Infrastructure (AMI -- 電気、ガス、水道、などの使用状況を通信手段で把握するもの）の通信手段からBPLは除外されているそうです。

PLCが利用する周波数は30MHzが上限ではありません。英国では、300MHzまで利用するPLCが販売され、FM放送に妨害を与えることが判明しています。

具体的な妨害の様子がYoutubeにアップされていましたので、ご覧ください。（ナレーションは英語ですので、ご了解ください）