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2005-12-05

松下の温風暖房機、修理ひと月あまりでまた中毒事故

行政の責任軽減を意図する主張ではないけれど、すでに10月に点検修理した製品で、新たな一酸化炭素中毒事故が発生しましたって、もはや法令も想定していなかった事態では?

高周波利用設備の場合、設備の所有者又は占有者に無線設備への障害を除去するために必要な措置をとる責任が課されている(電波法第101条において準用する第82条第1項)。研究会第10回で林(政)構成員(日経ラジオ社)がそれを指摘し、「(素人である)所有者又は占有者が対応できる範囲で基準を設定すべき」と主張したところ、有高構成員(松下電器)は「所有者又は占有者の責任はメーカーに転嫁され、障害対応はメーカーが行う」と明言した。

遭難通信を例に引くまでもなく(GMDSSはモールス電信を淘汰しただけであり、2?30MHzの周波数範囲内において電話・テレタイプによる遭難通信はなお行われることに注意)、生命にかかわる無線通信も多く存在し、そのような通信に障害を与えた設備の所有者又は占有者への損害賠償は億円単位になることも想定される。天下の松下はそれくらいでは傾かないだろうが、木村建設やヒューザーくらいの財務状況のメーカーでは、責任の転嫁に耐えられないことも十分あり得よう。

《2005-12-06追記》
結局、200億円掛けて回収するとのこと(謹告時事通信記事)(実際には半年前から修理していた経費も数十億円掛かっているはず)。PLCだって親子ひと組(安く見積もって)20000円を世帯普及率わずか2%そこそこに相当する100万組売ったところで全部回収となればやはり200億円掛かる。退職者給付を削減していると言えどもまだ財務に余裕のある天下の松下くらいじゃないと簡単には対応できまい。メーカが対応できなきゃ一義的な対策責任者であるユーザーの負担にならざるを得ない。

それとも、e-Japan戦略以来ずっと官が導入に関与してきており、大臣に「単なる民民の関係ではない」と言わせて政府が補償するのかな。まじめな納税者としてはつまらぬことに税金注ぎ込んでほしくないのだけど。

posted at 22:40:40 on 2005-12-05 by jr9mfk -

コメント

ohishi さんによるコメント

この事件,だんだん大きな騒ぎになってきていますね。
http://www.asahi.com/nation...
でも松下は,「問題ない」の一点張りだそうで。PLCでも「問題ない」の一点張りですが,根っこは同じなのかもしれない。
2005-12-08 00:46:40

村上健一郎 さんによるコメント

 どうも体質的なところもあるように思いますね。
http://headlines.yahoo.co.j...
に載っていたのですが、修理方法に問題がある、うちではできないということで断った関連業者もあったようです。それを突っぱねたのだからどうもPLCと通底しているところがあるような気がします。
 1分くらいのCM作らないとお知らせになりませんが、当分「ビエラ」の小雪ちゃんは見られないんだなあ…
2005-12-08 01:45:49

ohishi さんによるコメント

小雪さん,いいねぇ。彼女もいい迷惑だと思っているんじゃないかな?内心では。
2005-12-08 01:47:46
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