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2007-05-03

ロジテック LPL-TX/Sによる漏洩電波スペクトル

ロジテックのPLCアダプタ LPL-TX/Sを入手できたので,早速漏洩電波のスペクトルを測ってみました。アダプタは室内に設置し,スペアナ(NEC SpeCat2)+付属広帯域アンテナを用いてスペクトルを取ってみました。

LPL-TX/Sのスペクトル

縦軸は受信電力(dBm)です。緑が通信時のスペクトル,赤が非通信時(アダプタは電力線に繋がっている),ピンクがアダプタをはずした背景雑音レベル(いずれもMAX HOLDで取得。黄色は無視してください)です。スペアナの受信アンテナは自宅マンション外壁から1m程度の位置にしか置けないため,電界の絶対値にはあまり意味はありません。形を見ればよいという測定です。

結論から言いますと,短波帯のアマチュアバンドには見事にノッチが入っています。アダプタの使用帯域は2-28MHzで,これまで市販されたものの中では最も広く用いています。

HD-PLC,HomePlug方式との決定的な違いはアダプタの振る舞いです。HD-PLC,HomePlugの場合は(恐らく)親機と子機との定期的なハンドシェイクの時にパルス的なノイズを出し,通信時には使用帯域全体でノイズを出します。

ところがUPA方式では,親機を電源線に繋ぎ子機を探し始めただけで通信時に近いレベルのノイズ(受信機で聞いているとギャーという連続音と金属をひっかいた時のような音)を広帯域に出します。子機を繋ぐと更にノイズレベルが高くなり,通信を始めるともっと高くなります。通信時は更にバリバリというノイズになります。速度測定サイトで通信速度を測ると,12?5Mbpsでした。

窓際に置いた受信機を用いて日経ラジオ(6.055 MHz)を聴取してみました。アダプタが電力線に繋がっていない時は放送はクリアに聞こえていたのですが,通信をしていなくても,アダプタを電源に接続すると聴取が厳しくなりました。

なお,LPL-TX/Sに付属の電源コードにはノイズフィルタが入っているようです。また付属のLANケーブルにはフェライトコアが付属しており,そのLANケーブルを使うようにと取説には書いていました。私のスペクトル測定では,付属LANケーブルは使っていません。(使っても漏洩電波レベルは変わらず)

posted at 15:31:43 on 2007-05-03 by ohishi -

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