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2008-03-11

PLC漏洩電界測定結果(第三弾)

3月7日の環境電磁工学研究会で,PLC漏洩電界測定結果が発表されました。

測定に使用したPLCアダプタによる漏洩電界は,通信が不安定であった一つのアダプタを除き,環境雑音を大幅に超過していることが報告されました。

発表のまとめは以下の通りです(DM = differential mode,CM = common mode)。

a) PLC モデムのDM 電流はCM 電流より40dB 大きく、15MHz 以下で60[dBμA],15MHz 以上で50[dBμA] である。
b) 漏洩電界への寄与はDM 電流の方がCM 電流より30?40dB 大きい。
c) 引込線へのDM 電流の減衰は0?30dB 程度である。
d) 引込線のDM 電流はほぼ100%CM 電流に変換される。
e) 引込線にはPLC より10dB 以上大きなCM 電流が流れ,主要な漏洩電界発生源となり得る。
f) ブロッキングフィルタは必須である。
g) 型式指定の取消,新規指定でも漏洩電界問題は未解決。

発表では結論として,

広帯域PLC の漏洩電界を周囲雑音以下に制御して真に通信・放送と共存するためには,技術基準を早急に見直し,電界強度またはDM 電流に対する許容値を科学的に定め,ブロッキングフィルタの設置を義務付ける必要がある。

としています。

この講演は,CISPR関係者も含め50名近くの方が聴講していましたが,発表内容に対する疑問は提示されませんでした。当日の発表者の方でこの講演を聞いていた方は,「こんなに漏れるのか」と小声で感想を述べていました。

posted at 10:52:32 on 2008-03-11 by ohishi -

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