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2008-06-22

コンセントでLCLを測っても電力線網に分布するモード変換は分らない

6月20日に,札幌市の北海道大学で開催された電子情報通信学会環境電磁工学研究会(EMCJ)で,「コンセントでLCLを測っても電力線網に分布するモード変換は分らない ? コモンモード電流とLCLの伝送線路的取り扱い ?」という題の研究発表が行われました。

この発表では,電力線上に分布する不平衡要素(分岐,スイッチなど)とコンセント間の多重反射や伝搬損失を考慮に入れた伝送線路理論的解析を行った結果,コンセントと不平衡要素間の伝搬損失が分からなければコンセントで測定したLCLから不平衡要素のLCLを知ることができない,という結論を導いています。つまり,一般的にはコンセントと不平衡要素間の伝搬損失は知ることができないので,コンセントでのLCLをいくら測定しても,電力線上で実際に発生するコモンモード(CM)電流,そしてそれにより生じる妨害波の電界強度を知ることはできないことを示しています。

また,コンセントで測定したLCL値に基づいて決めたISNでは,PLCモデムが接続された電力線上に発生するCM電流を再現せず,PLCモデムのCMインピーダンスを大きくすれば多くのディフェレンシャルモード(DM)電流を流すことができ,これにより周囲雑音を大きく超過する漏洩電界が発生しうることも指摘しています。

そして,DM電流を規制するべきこと,または,漏洩電界を規制するべきであるとも指摘しています。

この論文の発表に対し,参加者の一人がたくさんの質問を行い,発表者の回答が済むのを待たずに次の質問が出るという熱い質疑応答が行われました。

posted at 14:09:50 on 2008-06-22 by ohishi -

コメント

不良学会会員 さんによるコメント

特定の方の論文だけ紹介されてもねぇ?。どなたの論文かと思えば、いつものK先生ではありませんか。
2008-06-24 17:40:25
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